はじめに
2025年の中学入試を終えられた皆さんお疲れ様でした。2025年の中学入試は、さまざまな特徴や変化が見られました。
少子化が進む中でも、中学受験への関心は高く、多くのご家庭が熱心に準備をされていた様子がうかがえました。
その動向を知るうえで、「結果偏差値」は非常に重要な手がかりとなります。
2025年中学入試の全体像
・受験者数と受験率
2025年の首都圏の私立・国立中学校における受験者数は、52,300名いました。ここ最近受験生が増えている印象です。
前年と比べるとわずかに減少したものの、過去40年の中では3番目に多く、中学受験の人気の強さが表れていますね。
受験率も18.10%と、過去2番目の高さを記録し、少子化のなかでも教育に熱心なご家庭が増えていることがうかがえます。
こうした背景を知っておくことは、結果偏差値を理解するうえでとても大切です。
・受験パターンの多様化
1人あたりの出願校数は7〜8校と、年々増加傾向にあります。
埼玉・千葉の1月入試を皮切りに、東京・神奈川では2月1日以降に試験が集中するため、受験日程の組み方がますます戦略的になってきました。
特に午後入試の新設が相次いだことで、同日に複数校を受験するパターンも一般的になっています。
ご家庭としては、体調管理や移動時間、受験生の疲労回復(体力的・メンタル的)などを含めたスケジュール調整が、より重要なポイントになってきています。
・学校選びの新たなトレンド
難関校一択から、中堅校や特色ある学校への関心が高まってきています。
偏差値40〜50台でも、英語教育やSTEM、探究型の学びに力を入れる学校が人気を集めています。
たとえば2025年度の豊島岡女子中では、従来の4教科判定に加えて、英検資格なども活用できる選抜方式が取り入れられました。今後英語に関する注目度もより、高まるかもしれませんね。
これは、「偏差値」だけでなく「学びの質」や「将来の進路」に目を向けるご家庭が増えていることの表れといえるでしょう。
・地域別動向
神奈川・埼玉・千葉では、児童数の減少が続いていますが、受験者数はそれほど大きくは減っていません。
また、「自宅から通いやすい学校」への志望傾向が強まり、遠方校への出願は控えられる傾向にあります。
これは、災害や安全面を考慮したご家庭も多く、学校選びの基準がより多様化していることがわかります。
・新興校や中堅校の躍進
東京農業大学第一中学校や佼成学園中学校など、中堅校の中でも教育内容に特色を持たせた学校が、人気を集めています。
東京農大一中では、なんと14.7倍という高い倍率になった入試もありました。
これらの学校は、偏差値だけでは測れない魅力を打ち出し、確実に注目度が上がっています。
・難関校の動向
開成、麻布、武蔵といった「男子御三家」や、筑波大附属駒場、桜蔭などの超難関校は、相変わらず高い人気を誇っています。
偏差値は76〜78と非常に高く、合格には入念な準備と、継続的な学習が必要です。
こうした学校は長年の伝統や高い進学実績を背景に、変わらぬ信頼を集めているようです。
2025年の中学入試は、難関校の安定した人気とともに、中堅校や新興校への関心が高まるなど、受験スタイルがより多様になった年と言えます。
偏差値だけでなく、学校の教育内容や立地、入試制度など、複合的に考えることが求められる時代になっています。
主要校の結果偏差値一覧
2025年中学入試における、主要校の結果偏差値を、以下の表にまとめました。
男子校の偏差値ランキング
偏差値 | 学校名 |
---|---|
78 | 開成 |
78 | 筑波大学附属駒場 |
78 | 聖光学院① |
78 | 聖光学院② |
76 | 麻布 |
76 | 栄光学園 |
75 | 海城② |
75 | 慶應義塾中等部 |
74 | 武蔵 |
74 | 駒場東邦 |
74 | 慶應義塾湘南藤沢(一般4科) |
73 | 巣鴨(算数選抜) |
73 | 桐朋② |
72 | 浅野 |
72 | 本郷②・③ |
71 | 世田谷学園(算数選抜) |
71 | 都立小石川中等教育学校(共学) |
71 | 明大明治①(共学) |
女子校の偏差値ランキング
偏差値 | 学校名 |
---|---|
78 | 桜蔭中学校 |
77 | 豊島岡女子学園(第1回、第3回) |
76 | 女子学院中学校 |
75 | 雙葉中学校 |
74 | 渋谷教育学園渋谷(第1回、第3回) |
73 | 広尾学園(医進・サイエンスコース) |
72 | 学習院女子中等科 |
71 | 白百合学園中学校 |
共学校の偏差値ランキング
偏差値 | 学校名 |
---|---|
77 | 渋谷教育学園幕張(第1回、第3回) |
76 | 渋谷教育学園渋谷(第1回、第3回) |
75 | 慶應義塾湘南藤沢(一般4科) |
74 | 広尾学園インターナショナルコースSG(第1回、第3回) |
結果偏差値から見える学校の動向
2025年の中学入試の結果偏差値を見てみると、いくつかの学校における動向がわかります。たとえば、共学校の人気が高まり、渋谷教育学園渋谷中学校や広尾学園中学校などの偏差値が上昇しました。
一方で、一部の伝統校では偏差値が少し下がる傾向も見られました。大学入試改革や、時代のニーズに合わない学校の特色が影響しているのかもしれません。結果偏差値は、学校の動向を知るための大事な指標となります。
特に2025年の中学入試では、御三家や難関校の受験者数が減少する一方で、偏差値が高くない学校の人気が上がっているという傾向もありました。佼成学園女子や女子聖学院、富士見丘、文京学院大女子など、多くの学校で応募者数が大きく増加しました。
この背景には、公立中学に対する不安、高校の無償化、そして社会全体で家庭の教育方針が変化してきていることが影響していると考えられます。
結果偏差値の正しい見方と活用法
結果偏差値を見る際の注意点
結果偏差値は、中学受験の結果を客観的に評価するための大切な指標です。でも、結果偏差値を見るときにはいくつかのポイントに気をつける必要があります。
まず、結果偏差値は受けた模試の種類や時期によって変わることがあります。さらに、合格可能性が80%を示すもので、必ずしも合格を保証するものではないことを理解しておくことが大事です。また、結果偏差値はあくまで過去の結果であり、今後の動向を予測するものではありません。結果偏差値にあまり縛られず、広い視点で中学受験の結果を分析していくことが大切です。
結果偏差値を分析する
結果偏差値を分析すると、さまざまな情報を得ることができます。たとえば、志望校の合格可能性を確認したり、得意科目や苦手科目を見つけて、今後の学習計画に役立てることができます。
結果偏差値を自己の模試の成績と比較して、どの科目に力を入れるべきかを具体的に見つけることができます。また、複数回入試を行う学校の場合、各回の結果偏差値を比べることで、入試の難易度や傾向の変化もつかむことができます。
結果偏差値に捉われすぎない学校選び
中学受験で学校選びをする際、結果偏差値は重要な要素の一つです。しかし、偏差値だけにとらわれず、学校の特色や教育方針、お子様の個性や適性も総合的に考えることが大切です。
学校見学や説明会に参加して、実際に学校の雰囲気を感じてみることも大切なポイントです。お子さんが楽しく充実した中学校生活を送れるように、最適な学校を選んでいきましょう。
結果を踏まえた今後の学習戦略
合格した場合の過ごし方
中学受験に合格したら、まずはお子さんの頑張りをしっかり褒めてあげてください。そして、入学までの期間を有意義に過ごすことが大切です。入学準備を進めながら、中学校での学習内容を少し先取りして学んでおくのもオススメです。
特に英語の基礎的な単語や文法に触れておくこと、中学校での学習習慣を早めに身につけることはとても大切です。また、受験を終えたお子さんにとっては心身をリフレッシュする時間も大切です。興味のある分野に触れたり、体を動かしたりする時間を大切にしてあげましょう。
残念な結果だった場合の選択肢
もし中学受験で思った結果が得られなかった場合でも、お子さんの可能性はまだまだ広がっています。中学受験はあくまで一つの通過点であり、お子さんの成長に多くの可能性があります。
まずは、お子さんの頑張りを認め、その努力を労ってあげてください。今後は、地元の公立中学に進む、高校受験で目標の学校を目指す、または別の興味を深める道に進むなど、さまざまな選択肢があります。お子さんとよく話し合い、ご家庭にとって最適な進路を選ぶことが大切です。
今後の学習戦略:家庭教師の活用
中学受験の結果を踏まえた今後の学習戦略には、家庭教師の活用が非常に有効です。家庭教師はお子さんの学力や個性に合わせて、最適な学習プランを提案してくれます。また、苦手な科目を克服したり、得意科目をさらに伸ばしたりすることも可能です。
私たち「中学受験エリート」では、経験豊富なプロの家庭教師が、お子さんの学力向上をサポートいたします。きめ細かい指導とサポートで、学習をバックアップしますので、ぜひご相談ください。
まとめ
2025年の中学入試では、少子化が進む中でも中学受験の人気は変わらず高いことがわかりました。受験率も高い数値を維持し、関心の高さが伺えます。
受験パターンは多様化し、受験生一人あたりが受ける学校の数は増えてきています。学校選びにも変化が見られ、難関校への集中から、特色ある教育プログラムを持つ中堅校への分散が進んでいます。
結果偏差値は学校選びの一つの指標として重要ですが、模試の種類や時期によって変わること、合格の保証ではないことを理解し、学校選びには多角的な視点を持つことが大切です。
中学受験の結果をしっかりと振り返り、合格した場合も、結果が思わしくなかった場合も、それぞれの経験を今後に活かしていきましょう。